ハイパーインフレと農業
新聞に半分本気、半分ジョークの「悩みのるつぼ」というのがあります(朝日)。
79歳の老女(失礼)からの相談(2014年3月か4月)
夫を戦争で亡くした母に送られた戦時国債は終戦で紙切れ同然になった。
今、夫の年金とわずかな蓄えがあるがこの先インフレでこれがパーにならないか不安でしょうがない。
こたえるのは金子勝氏
少しサヨクの経済学者、どんなことを言うのか興味深く読んでみると、
太宰治の「斜陽」を取り上げながら
「この小説にはハイパーインフレで食料の値段が高くなり生きていけなくなる時代の困難が色濃く影を落としている」
「普段から、農家から直接農産物を買うように心がけるなど個人でできることを
積み重ねておくのが、意外に大事かも」
と、古典的発想の物言い。
意外だが、私も同感です。
そしてより深化して言わせてもらうと、自分でもっと非常時の食料担保的準備をしておくのがいいと考えます。
具体的には家庭菜園、借地しての畑作、郊外に土地確保等グレードはいろいろですが食料の自給用意です。
水と食料があれば生きていけます。
中国は毛沢東の農業政策の大失敗で千万人単位で餓死者が出ました、ソ連崩壊時、それはありませんでした。
弱き人民もターチャという郊外の無料別荘地を持っていてそこで食料を作っていたからと言われています。
債券は紙切れになっても土地はたとえ換金的価値はなくなっても農業を行うことはできます。
絶対的な価値は残ります。
考えてみれば極小規模農業は独立型太陽光発電システムと似たようなものです。
どれほど心の安心を与えてくれることか。
職場から30分のマンションか、1時間半の戸建て住宅かという古典的論争?
についても私は後者を選びます。
しかし、そこまで対立的に考えなくてもすみます。昨今のコンパクトシティー化は逆にチャンスを与えてくれます。
町中心部の住居のほかに土地価格暴落の田舎の地確保も容易にしてくれますので。
賃料収入や価格上昇が一切見込まれなくても安全保障の見地から土地確保は有用と考えます。