丸山健二氏の隣人等への見方には独特のものがあるようだ。覗かれたくないという趣旨からも窓は小さくし、庭は生垣で囲んでいるとの記述があった。
週末の全国系列TVの定年・早期退職者田舎移住番組が全面的にご近所性善説・友好親善関係説に立脚するのと対照的で興味深い。
私も一部であるが丸山氏に共感するところがある。
塀・フェンスについては他のメリットとして
強風時の庭置き物品の飛散防止
広い場合の無断あるいは過失的侵入予防、
ゴミ捨て予防、
子供の敷地内事故の防止などがある。
そんなこともあり、またデザイン上の興味もあり10年にわたっていろいろなフェンスを作ってきた。
格子タイプ(横、縦,四角)、竹使用(縦置き、横置き)など。
近時作成したのがガルバリウム鋼使用の塀だ。屋根材を塀に使うのは少し贅沢な感じがするが、視界の完全阻止、火災延焼防止、高耐久性の点は極めて優れている。
最大の課題は風対策
垂直に立つ塀は風の力をもろに受ける。初期に貫板で風通しの良い横格子を作ったが風で傾き嘲笑されてしまった。
風の通らない素材 ポリカ、トタン類は相当な準備をしないと危ない。何しろ風だけでヨットは太平洋を横断できるのだ。
私の対策
①塀は上中下3段の横板で支える(2×4か間柱以上)。
②1ブロック(概ね3m位)両端の柱はコンクリートでおさえる。
③要は次の写真。上端と地面を2m単管パイプとコンクリート基礎で結んで支えてい る。
法隆寺築地塀と転倒予防
なんだか似ている発想だ。人の考えることはそんなに変わるものではないようだ。それにしても法隆寺大工さんは丁寧な仕事をする。(2014年12月撮影)
(参考)
余談 1
方丈記と築地塀
築地塀が地震で倒れてその下で遊んでいた童子が圧死し、親が嘆き悲しむ様が描かれている。あまりにリアルで現代的なのでに本当?と思ってしまったが本によっては原典を異にするらしく載ってないものもある。
余談 2
こちらは天皇陵の塀というか柵
熊本地震に関連付けた本項も一応終わりにしたいと思う。
ブラタモリで熊本城特集しておいてよかったという声が大きい。私も車中泊で九州まで行った際、日没前の短時間であったが見学しておいてよかった。
復興を願うのみ。
6 一般民家と屋上緑化
切妻の平屋屋根でサツマイモの栽培をひと夏行ったが、濃厚な世話を焼けないこともあって成果が上がらずこのプランからは撤退することにした(既述)。
一方地上の実験装置ですら、おじいさんが盆栽を育てるような接し方をしないかぎりパッとしないことがわかり、実験は放棄し、そのうち考案の箱も分解しようと考えていた。
久しぶりに様子を見ると、セダム2種のうち1種が細々。
芝生が予想外に生きていた。
げすの勘繰り?強いはずの雑草もダメな様子(少し拡大可)。
熊本地震の余震が相変わらず酷いが専門家も崩壊家屋に多く目立つ瓦屋根のことに言及しだしている。
ふと、屋上緑化のことが頭に浮かんだ。雨天で水を吸収する。すぐには流出しないし、そのことを狙って保湿性のある部材も入れてある。となると、20Lポリタンク○○個分の重さになってしまう。屋根上にアップライトピアノを置くことになってしまう。屋根の太陽熱温水器に似たような問題を生じる。
2016.5.4記
熊本地震で若い男性が倒れたブロック塀の下敷きとなって亡くなっている。
それなりの補強策は講じてあったというが、ブロック工事で目にするあの程度の鉄筋ではだめだということだろう。
失火法のように責任の軽減化がされてなく、工作物の所有者として負う責任を考えるとぞっとする。
当方も一つの敷地に対して生け垣をはじめいろいろなフェンスを作製・使用しているが、裏側に設けていたウッドフェンスについては1年かけてガルバ鋼に変えつつある。
というのは長くない期間で生じてくる木の腐食に対応するのが大変ということとガルバの総合的優位性(価格、耐久性、延焼防止効果その他)に着目してのことだ。
軽く、倒れた場合でも即、命にかかわることが少ないのも利点だ。
風情に欠ける点は否めないがそこはTPOで考えるしかない。
今回そのフェンスの途中に忍者屋敷ではないが外からはわかりにく内開きのくぐり戸を付けることにした。乏しい知恵を絞って作成したのが次の写真。木は廃材活用。
注)潜り戸とは
お屋敷の大きな正門の端にある小さな門で、頭を下げ、くぐるように入るからそう
呼ぶみたい。こちらは塀の中にあるが似たようなもん(門)でしょ。本日製作。
2016.4.30記
熊本城の石垣も修理で当初の大きな石から小さなものに変わっていてこれも崩落の一因とのこと(4.24TBS)。
熊本県も災害が少ないと称して企業誘致を図っていたり、建築基準法の改正も基準の詳細は他の地域より緩和されているなど(4.24報道)、どうも日本中、当地への大地震の到来はないものとみていたきらいがある。
九州への工場進出もアジアに近いとか人件費が安いからと言っているが災害が少ないとの予断があったのではないか。
ニュースを見で遠く離れた地域で起きたこと、自分らと関係ない出来事と考えているととんでもないしっぺ返しを受けるようだ。
で、自分も振り返ってみると自宅の外付け階段が問題をはらんでいたのに対策を先送りしていた。今回の震災を教訓に改めることにした。
地上から2階屋上、つまり3階高さへの外付け階段を家の側面に作れないかを建設会社に聞いたらできないとの返事。そして家の南面庭の真中へらせん階段を作れるとの答え。価格は普通乗用車1台分。ステンレスではない。
お話にならないので建設会社が作れないという直線外階段を側面に作った。
肝心な基礎は大きなコンクリートため桝を型枠にして12ミリボルト4本で専用金物1個を固定するもの。4個+補助的なもの1個計5個の基礎で5本の4m柱を立てた。
尚、階段自体はアルミ製既製品(1脚8万前後だったかと記憶)を2個購入し、途中の踊り場で乗り換えることにした。
市価9分の一程度で作っていつの間にか17年。よく見ると柱に腐朽が見えるではないか。東日本大震災にも耐えてくれたがその時の南関東の震度は5だったと思う(6以上の震度は大正12年以降来ていないと思うが?)。6以上が来たらやばい。
すべてを分解するなら別だが、全体をそのままに一本一本柱を新旧交換するにはどうしたらいいんだろう?一人で、機械もなしに。
そう思いながら時間が過ぎるのみ。
そして熊本地震!
まじめに考え、解決案が浮かんだ。
交換する柱の周囲に別の柱や手持ちスチールLチャンネルを立てそれで重量を支え、元の柱を抜けばいいのではないかと。
次の写真がそれ。右に別の柱、左にLチャンネル。
1日かけ、うまく抜けた。
やはり金物に差し込んだ部分が乾燥しづらいらしく酷い腐朽となっている。その他の部分は思ったほど悪くない。この金具の使用はやめて他の工夫で対応することにした。
こうしてみた。
アングルの下にはスペイサー、柱と板の間には厚いゴム板を入れてある。
2016.4.24記
車中泊の文字が新聞にちらつく。
車中泊=死に至る非行であるかのごとくに。
座ったまま4人が車内で夜を過ごすというなら別だがゆとりと準備をしておけばむしろ快適なのに。
そのコツは、1に背中の完全フラット化 2に窓対策だ。
私は東京・九州最南端間往復2千数百キロ全てを休養日なし、単独運転、車中泊で過ごした。
2016.4.21記
熊本のニュースを見て感じるのは屋根がかなり関東と違うということだ。
日本瓦がとても多い。
かって、昭和世代までの人間にとっては、家を建てるなら屋根は日本瓦でしょう!が圧倒的多数説だった。
スレートは県営住宅、金属(トタン)は倉庫というイメージだった。
いまや、多分関西圏でも、戸建て住宅の多くはコロニアル。
金属(ガルバ)も増えている。
日本瓦生産という伝統産業を否定するようなことは言いにくいと思うが。
羽子板付き束石
これ安くはない。高さ18センチで648円、24センチで898円、30センチで1180円(2016年、4月)。
横揺れにはとても脆弱な感じがする。
で、使いたくはない。でも手っ取り早く、使うことがある。
その時は、被害軽減のためコンクリートで補強することにした。
写真は2段にしている。
黒色塗装は水を吸い上げて柱に悪影響を与えないようにするため。
2016.4.20記
次に来る大地震は東海地震!
学者・役所は1970年代からこう言い続けた。学校で、職場で、避難訓練で。
東海以外に来ているではないか。
阪神、東北、九州と。
ある意味来ないと安心していたところに(東北の津波は別として)。
今回の大地震のルートを車で通った。2010年5月の連休。
熊本城→阿蘇に向かう途中の道の駅(車中泊)→阿蘇→大分湯布院と。
それだけに思いは複雑。
newsを見ていて気が付くのは車中泊の多いこと。そして軽薄メディアの車中泊は血栓を起こして危険というワンパターンフレーズ。
軽自動車キャンピングカーが多いが、それゆえ病気になったという話は特に聞かない。
寝たきりでない普通の人間なら、トイレ、食事、気晴らしに周りをうろつくのが普通。
煽情的言辞は慎んでもらいたい。
鉄筋コンクリートの市役所、マンションが倒壊しそうになった。
43人の死者の多くの原因は屋根天井の崩落による。
家の外の交差点へ、大きなコンビニの駐車場へ、車の中へという流れは至極素直で正しい選択と思う。
鉄の箱内での就寝は耐震不十分、伝統的日本瓦の下よりはるかに安全だ。
そんなに危険というなら飛行機のエコノミークラスを廃止したらどうか。
2016.4.18記