そうだ京都へ行こう2016年秋
この10年ずいぶん京都へ行っている。
北は鞍馬、丹後へ。南は奈良まじかの浄瑠璃寺・岩船寺へ。
宮内庁所管の桂離宮、修学院離宮、仙洞御所へも行った。
もういいかな、そう思っていた。
が、用件で京へ行く必要が生じた。
エーと思ったが紅葉のピーク時、しかも要件先はこれまで足を踏み入れていない祇園そばの中心地。
となると、私にとって新規性に富むので新たな興味も湧いてくる。
そうだ、ついでにこれまで足を踏み入れてないところを見に行こう。
で、そうだ今年も京都へ行こうということになった。
以下順不同で適当にご紹介を。
① 吉田山・吉田神社
修学旅行で行くようなところは大体行ったが、そうすると気になってきたのが吉田山だ。
丁度何度も槍ヶ岳に登って途中の明神岳が気になってきたのに似ている。
地元の人、京都の大学を出た人がさらっと吉田山・吉田神社のことを言うので余計気になる。
私のようなよそ者、観光客はまず関心を持たないし、行こうとしない。
したがって観光雑誌にも出ない。
だからどういってよいやらわからない。
観光案内所でもらった上の地図がてがかり
京都の交通手段の王道はバスだろうけど京都のバス便は密過ぎてどれに乗ってどこで降りたらよいかわからない。
地方の人が東京の地下鉄体系が全く分からないという感覚と同じだろう。
この日、それまで見ていなかった南禅寺の中の金地院だけ見て吉田山に向かう。
観光客であふれる哲学の道より内側の白川通り沿いにバスが通っていそうなのでそこを北上することに。
知らない道に入るとそれだけで旅とはよく言ったもの。
表札をかけていない妖しいまでに立派な豪邸が並ぶ。
芦屋みたいだ。
しばしあるいていると何やら雰囲気の異なるオーラを放つ一角があった。
凄い吸引力。
立ち止まりしげしげと見る。
塀越しにきれいな紅葉が見える。
シークレットガーデンだ。
私が立ち止まっていると白人女性も来て高級カメラで撮りだした。
藤田小太郎の「洛翠」だった。
藤田一族と言えば確かワシントンホテルや山縣が作った目白台の椿山荘も彼らのもの。
洛翠には伏見城内にあった不明門があるが椿山荘にはどこかから持ってきた三重塔がある。
こういう手法が好きなんだね、そしてそれを可能とする財力があったんだね。
それにしてもご近所の無鄰菴と同じく植治の作庭だったとは。
門だけでも見れてよかった。歩きならではの予期せぬ収穫。
とにかく東山界隈には明治期に荒廃して人手に渡った寺院の敷地に当時の特権階級が作ったシークレットガーデンが目白押し。嵐山界隈とはちょっと違う。
そしてその特権階級の豪庭も今や企業のものへと変わっていて哀れを感じる。
このお庭も製薬会社のものらしい。(2016.12.5 続く)
先に進む。
いわゆるお屋敷街。
全体の規模が大きく鵠沼、目白台もかなわない。
次の大きな邸宅の入口に見える塀の美しいこと。
竹の色、足元のレイアウトと修学院離宮の
上・中・下の区切りにあるものもかなわない。絵画のような美しさに見とれてしまった。
蹴上から結構歩いた。
そろそろバスに乗ろうと停留所を探しながら北上。
天王町から乗車
どこで降りるか決断しないと。
浄土寺、銀閣寺通りと迷うが傍に道らしきものがある北白川に決定。
降りてちょっと先に入口があった。
悪くなかった選択かも
吉田山緑地の全体図があったので拝見。
盆地の中に100mとはいえ、山があるのは不思議。
ブラタモリがとりあげそう地形だ。
低いが緑豊か。
水源になっているのもわかる。
いまや保存すべき里山となっている。
降りてゆくと神社らしきものが。小さいがこれが吉田神社?
と思ったら摂社 お菓子の菓祖神社だった。その下に本宮がある。
丁度結婚式を行っていた。傍で経営する幼稚園園児の声がする。
山の頂上ではなく麓にある神社なのだ。