著名建築家と無名主婦
大型書店の建築コーナーに行くと、さすがに新国立競技場がらみで隈氏関連の本が目立つ。
そんな中、おや!
なくなって10年以上たつというが現役時代有名だった建築家Mさんに関する本が出ていた。
有名だった人でも故人になると忘れられるのがほとんどというのに珍しい。
この方、とてもダンデイーな中年紳士で、ルクスの良いことのほか、文章もうまく、料理も
上手なことで有名だった。
女性にも大変モテたらしく、小説家W氏(この方も故人となってしまった)の作品に出てくるモテモテ建築家のモデルではないかと言われたこともあるようだ。
私も氏の本を読んだことがあるが読みやすく好印象を持った。
設計家として、料理愛好家としてエッセイストとして才能に恵まれていたことは疑いないところだと思う。
ただ、ただあまりにお粗末なところがあった。本人がそのことに気が付いていないだけにおいたわしかった。
なんのこと?
いや、たわいのないベランダ園芸のことです。
デザイン、素材選びどれをとってもレベルに達せず、そこら辺のマンションベランダ園芸○十年の専業主婦のほうがよっぽど上というものでした。
日本という国では有名になれば勝ちなんですね。
池田満州夫氏が外国ではそういうことはなく、有名人故の専門外での優遇はないと言っていたのを思い出す。
2016.1.31 記