英国ビル 外断熱と火災 2
その後どうなったのか、日本で似たような危険性はないのか気になる。
しかし日本のメディアは相も変わらず芸能人・政治家のゴシップ的記事、ワンパターンのご近所散歩番組ばかり。
(いくらコストがかからないとはいえ落ち目の元有名人、元アイドルがぺちゃくちゃおしゃべりしながら散歩するつまらない映像の連続にはいい加減へきえき。)
ある建築雑誌にはお手軽に外断熱できるという広告記事が載っており真面目に気になる。
日経の雑誌にかなり綿密な記事があった。
(最近日経の雑誌に注目するところだ。一次取材の力量は評価できる。)
以下引用
参考http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18499940V00C17A7000000/
グレンフェル・タワーの壁面に張り付けた断熱材はポリイソシアヌレートフォーム。高い難燃性を有する素材とされるが、化粧用の亜鉛の金属パネルとの間に通気層があったことから、「煙突効果」で延焼スピードが速くなったとの分析が多い(写真:東京大学生産技術研究所・野城智也教授)
グレンフェル・タワーの既存外壁は厚さ250mmのコンクリートだ。16年までの改修では外壁に厚さ150mmの断熱材を張り付け、厚さ3mmの金属パネルを化粧用に覆った。断熱材と金属パネルの間には50mmの通気層を設けた。この通気層に入り込んだ炎によって、断熱材が急速に燃え広がった可能性が高いと小林教授は分析している。
25㎝のコンクリート外壁の外に15センチの難燃性の断熱材なんて最高に思えるがそれがこうなるとは。
大体、建築関係の書物では断熱材の防湿性の点からか空気層を設けるべきとするものが多い。
それが=煙突効果発生の原因となるとは!
煙突効果と言えばロケットストーブや焼杉製法で体験しているところではないか。
空気層の中では煙突効果発生防止に3mごとに横にファイアストップを入れるべきとあった。
木造家屋でも屋根裏の熱い空気を逃がすため通気層を設ける設計が多いだけにとても気になる。
2017.7.29記
英国ビル火災 1 外断熱材が原因? (改訂)
ビルの外側に火が広がっている異様な光景。
外に火の膜があったのでは逃げられない。
今日夜のFM東京の番組で識者が外断熱材が問題かもと話していた。
確かに断熱材の断熱効果は抜群だが多くは石油製品。
火が付けばひとたまりもない。茅葺屋根どころではないだろう。
この製品については火災発生時に有毒ガスが発生する点で問題視する人がいることは知っていたが火災延焼の引き金になることには考えが及ばなかった。(専門家は別)
外断熱材の外側に不燃外壁があるとしてもその内側に良燃焼材があって其の層で火が広がったのでは意味がない。
そう考えると外断熱=善とはせず断熱材の内容吟味が必要ということになるのか。
ところで外断熱をしきりに喧伝する業者も少なくないが木造住宅の場合はあまり意味がないという人もいる。
確かに木の比熱は鉄やコンクリートより大きく、温まりにくく、さめにくい性質をもっている。ヒートブリッジの程度も以下の点から低いはずだ。どうなんだろう。
熱伝導率(*)の点では木材は次のようにコンクリートの1/3,鉄の数十分の1。
スタイロホーム 0.003 、木材0.14 コンクリート0.4 水0.58 鉄80 アルミ250
2017.6.14記