山ではテント泊まりがつきものだ。
あらかじめ予期していたならどうということはないが予想外のビバークがある。
上の写真は昔、非一般ルートである槍ヶ岳北鎌尾根でのビバークだ。
注)一般コースは地図に実線で記され、難コースは破線で記される。非一般コースになると
安易に立ち入られるのを防ぐためまったくコースが記されないのが一般。
この山行では1泊目は信濃大町駅ベンチで段ボールと新聞紙をかき集めて寝た記憶がある。
2泊目は北鎌尾根末端取り付き点でテント泊まりした。
3日目は一気に頂上まで登る予定であった。
が、新田次郎「風雪の北鎌尾根」の題材になるほどの登山であり、夏とはいえ甘くはなかった。
T君と二人で行ったのだが、ガレバで滑落しそうになり動けない状況も生じ、ザイルでの救出など時間をロスした。
直ぐにつくと思っていた北鎌平もなかなか現れず、電池も危うくなってきた(当時はデジカメもLEDランプもなく豆電球と乾電池の時代だった。乾電池では2~3時間しかもたなく、予備電池を含めて5時間が限界)。
少しばかりの平坦な場所を見つけて夜10時に行動停止し、それぞれが一人用のテントでビバークすることになった。当時としては先端のゴアテックスシェルター型だった。
ありったけのものを着込み、薄いシュラフカバーに入ったが地面は傾斜し、外はだんだん寒くなりで、まったく眠れず震えながら朝を待った。
おまけ
下から登るのは沢筋が大変。
激流にかかる吊り橋は崩れかけ、残ったワイヤーの上を歩いた(白黒のネガフィルムだ)。
ここは前年二人亡くなっていると脅かされたところだ。
ピークから途中まで下り、そこから北鎌尾根を登る方がずっと楽で、そうする人が多いようだ。
T君は、W県で弁護士をやっているが長いことあっていない。元気かな。