2 浄水学者vs趣味の水槽飼育愛好家
緩速濾過。生物濾過と言うほうが今日的だが。
これについて高名な浄水学者の影響を受けすぎていたようだ。
緩速濾過は次々に流入してくる原水の存在を前提として考えられてきた。
そこでは、砂上に一定のスピードで新規に原水が流入し、下層に沈下・流れる過程での砂層上部近辺の生物膜での濾過を前提としている。
したがって止水では無理と思われてきた。
止水についてやろうと思ったら強制循環させて砂層上に再注水しないと、と考えてきた。
で、断念して二次的というか気休めの感じで水槽内部に砂礫層の箱を作りそこにエアを注入してエアが上昇する際に水も砂礫層間を通るようにし、その過程での若干の生物濾過を期待してみた。
間欠的にタイマーを動かせ、放置の数年。
時折汚い雨水や樋の泥が入るまま。
ところが予想に反してきれいなのだ!!
水中内のみで不完全ながらも生物濾過が機能している。
浄水学者ではなく雨水利用家の東京都S区のグループの人がドイツに行って雨水タンクを見せてもらって予想外にきれいなことに驚き、タンク内の生物膜のせいではないかと書いていたことを想い出す。
上水道施設は何万、何十万の人に水道水を提供しなければならない。したがって絶え間のない原水の流入は当然だ。そこでの緩速濾過は冒頭のようになる。
一方、水道水を提供するのでない者にそんなことは不必要。構造も変わってしかるべき。
どちらが正しい、間違いなんていうことは言えないだろう。
考えてみると私の作ったものは水槽内でのエアリフト方式での濾過に共通する。
あらためて水槽ペット愛好家と業界のろ過に対する濃厚な愛情と意欲には頭が下がる思いだ。
ホビーといえどもあなどれない。
2016.2.6v2記
1 著名建築家と無名主婦
大型書店の建築コーナーに行くと、さすがに新国立競技場がらみで隈氏関連の本が目立つ。
そんな中、おや!
なくなって10年以上たつというが現役時代有名だった建築家Mさんに関する本が出ていた。
有名だった人でも故人になると忘れられるのがほとんどというのに珍しい。
この方、とてもダンデイーな中年紳士で、ルクスの良いことのほか、文章もうまく、料理も
上手なことで有名だった。
女性にも大変モテたらしく、小説家W氏(この方も故人となってしまった)の作品に出てくるモテモテ建築家のモデルではないかと言われたこともあるようだ。
私も氏の本を読んだことがあるが読みやすく好印象を持った。
設計家として、料理愛好家としてエッセイストとして才能に恵まれていたことは疑いないところだと思う。
ただ、ただあまりにお粗末なところがあった。本人がそのことに気が付いていないだけにおいたわしかった。
なんのこと?
いや、たわいのないベランダ園芸のこと。
デザイン、素材選びどれをとってもレベルに達せず、そこら辺のマンションベランダ園芸○十年の専業主婦のほうがよっぽど上というものだった(私見)。
だけどその専業主婦、どんなにベランダ園芸が優れていたとしても100%メディアに取り上げられることはなかっただろう。
日本という国では有名になれば勝ちなんですね。
池田満州夫氏が外国ではそういうことはなく、有名人故の専門外での優遇はないと言っていたのを思い出す。
2016.1.31 記