➀ 岳人70周年 槍ヶ岳とモンベル
登山をしなくなって久しいが、特集「槍ヶ岳」に引きずられて手にした。
山関係の雑誌と言うと「山と渓谷」の方がメジャーで「岳人」は「他誌とは一線を画した硬派な山岳専門誌」であり、購入したことはなかったと思う。
パラパラとみるとムー、違う。変わっている。
編集後記を読んで初めて知ることばかり。
なんでも京都大学山岳部有志によって産声を上げ、その後中日新聞が全国誌として出版。
(私が知ったのはこの時。高校の時美術を習った東京芸大油絵科出身の山里寿男先生が教員を辞めて山岳画家として独立後絵入りの紀行文を書いていた記憶がある。)
そして3年前、登山用品で有名なモンベルが出版を引き継いだとのこと。
編集長もあの有名な辰野勇氏が担当している!
山岳プロが編集長をしているからか、人間として卓越している辰野氏だからか内容がまるで違う。
よくなっている。わかりやすくなっている。
硬派でない山愛好家にも好かれそうになっている。
槍ヶ岳と言ってもこれまで雑誌に出るのは月並みの一般コースばかり。
今回は北鎌尾根に関するものが3本もある。
珍しい、ちょっと興奮。
と言うわけで原則雑誌は図書館で読むだけだったのが、久しぶりに購入した。
(以下続く)
2017,11.3記
追記
2014年5月号があった。
発行者変更のお知らせが大きく出ている。
今、その政治性で何かと注目される東京新聞だがかっては登山に注力していた。
関係ないジャンルだがビズという庭に関する雑誌も2017年途中で突然休刊となった。
これまでもあった発行者の変更では間に合わないもよう。
② 北鎌尾根
クラシックバリエーション北鎌尾根を行くという記事がある。
この方も初めてだったらしいが次の一文にその高揚さがうかがえる。
そのとおりと思うが登ったルートはというと一般縦走路である東鎌尾根の水又乗越から天井沢に降りて向かう道を選んだようだ。
過去歩いたルート、湯俣から千天出会・北鎌沢出会経由で登るコースを誌上再体験したかったのだが。
もしかして書店で購入できる一般雑誌に掲載するのは不適切だからか?
何しろ自分が登ったのは世の中に携帯電話、パソコン、LEDのなかった昔々のこと。
今と段違いなのかも。
こうなったらインターネットで調べるしかない。
私の登ったコースに近いものがあった。日付が書いてないのは残念。
http://club85fai.main.jp/reports/yarigatake_kitakamaone.html
山岳会で慣れているグループであろうが徒渉にてこずった形跡がある。
ほかも何点か見てみたが、冷たい川の渡渉が避けられない模様。
中には15回というのもあった。
これでは雑誌に紹介できない。
なお記事に放置されたザックやピッケルがあるのを見ていぶかっていたが、おそらく遭難者のものだと思う。生存か非生存かわからないが救助・収容の場合遭難者の持ち物など捨ててくるらしい。
私たちの場合、使った新品ザイルを回収するゆとりがなくそのまま放置してきた。
後の人、なんで?と思ったかも。
2017.11.5記
追記
2014年5月号によると、なんとかってあった登山道がなくなっていた(同号アドバイス参照)。
どうりで。
またまた話は飛ぶが800年以上前の鴨長明が隠遁していたという日野の山奥の庵跡は嘘っぱち(自説)。
沢筋の場所など100年でも同じ地形でいられるはずがなかろうに。
③ 未踏?の岩稜 千丈沢側岩壁群
北鎌尾根を登っているとき右側の千丈沢を見おろすようにそびえる硫黄尾根が見える。
異界に見えた。そこを登ったという話はあまり聞かない。北鎌の何十分の一らしい。
山を続けていればいつかはチャレンジしたかもしれないが、縁なく終わった。
そこではなく当の北鎌尾根の千丈沢側岩壁群について9月号で服部文祥氏と角幡唯介氏が触れている。
何と記録にあたっても見当たらず未踏の岩壁が結構あるらしいのだ。
現代の北アルプスでまだあるとは。
冒険・探検という言葉が乱発されているが地図、案内書通りに進めば到達するのはハイキング。
冒険・探検を目指す方、挑まれてはいかが。
2017.11.7記