雑誌「住む」魅力②
養老孟司さんの暗い書斎風景が何とも魅力に感じられたが、これこそ谷崎潤一郎の陰翳礼賛の言わんとするところだったといまさらながら気が付いた。
さてこの季刊誌第二の魅力は2ページにわたってエッセイと絵を披露している三谷龍二氏の落ち着いた才能ぶりだ。
本職は木工デザイナーらしい。
それ以外の文章と描く絵がかくまでハイレベルとは恐れ入る。
無駄、嫌みがなくスーと頭に入る文章と絵だ。
全く知らなかった人だったがその秀逸ぶりに着目してページを任せた編集者も素晴らしい。
インターネットでは無料で読めるのでブログを拝読することが多いが、
回数と長いだけのもの、今日何をしたという小学生の絵日記的なもの、極端な自己礼賛,傷のなめ合いに終始しているもの、簡単なことをむづかしくしゃべって一人満足しているものなど、まさに無料だから我慢するというレベルが多い(自分のことは棚に上げた言い方で恐縮ですが)。
読み物として鑑賞に値すると感じられたのは山籠もりクロスグレードさんと岡山の元大学の先生くらいかな。
後者の最近の記事で「断捨離」と「自分へのご褒美」を皮肉っている短文コメントは徒然草、枕草子を超える傑作中の傑作だと思う。短く、ピリッとして本質をついている。
「住む」と共に閲覧をお勧めする。
2018.4.17記
雑誌「住む」の秀逸さ ①
木の家の断熱を考えるという副題に惹かれて手に取ったが、内容全体に秀逸さを感じる。
よかったものは副題ではなく次の2つ。
第1は養老孟司さんの鎌倉のお宅の様子。
簡素な和風の門と書斎風景が何ともいい。
書斎など明るくないのに照明を使っておらずそれが魅力になるとは思わなかった。
さらに驚いたのはこのページが無印良品のPRページだったことだ。商業性が内容を左右していない、いや向上させている?
かってのサントリーの広告を思い起こさせる。
2018.4.15記
(続く)