無邪気に遊ぶ少年少女の現実界を見てどこかうらやましく思われた。
が、校庭で遊ぶ子供らをじーっとうらやましそうに見る結界の向うの少年の姿もある。
おはなはん放映より8年後、昭和49年度芸術祭参加作品「砂の器」だ。
業病におかされた父とその息子が家を出て乞食遍路となってさまよう。
既に別世界となってしまった学校の生徒を遠くからうらやましそうに見る少年の姿が涙を誘った。
殺人の謎解きより抒情性に優れた傑作だった。
今改めて配役・製作スタッフの超一流であったことに驚く。
監督 野村芳太郎
脚本 橋本忍、山田洋次
この配役中 丹波、佐分利、渥美清、緒形拳は故人
(迷優森田健作は一人千葉県知事として元気)。
2015.8.4記