遍路宿で見た薪ストーブ
この日(2013年4月7日)着いた宿の広い玄関たたきには大きな薪ストーブが置かれていた。
この日の朝、気温は1℃だったこともあり、ここ久万高原では終日燃やしているそうだ。
話しには聞いていた薪ストーブというものを体験するのは生まれて初めて。
確かにこれまで経験してきたいろいろな暖房器具とはまるで違う。
どこか、「健やか」なのだ。
部屋の一部だけが暖かいのではなく、隅々までが暖かいのだ。
薪ストーブの設置・維持に多額の費用を要するらしいが病み付きになる人が多いというのがわかる。
改めて写真を見るとストーブの周りにはかなりのスペースを開けているのがわかる。
1日中燃やすことによって相当な輻射熱を周囲に浴びせており、低温炭化によるある日突然の出火を避けるためなのか。
後ろの黄土色はカラートタンであろう。
ストーブの上には耐火煉瓦が置いてある。何に使うのだろう。
山の中、薪材料に不自由することはないだろうが、準備する膨大な量は大変だろう。
外にもたくさん積み上げられていた。
遍路宿で見た靴
歩き遍路に行く場合、事前準備で気を使い、悩むのが雨具と靴。
最も重要なのが靴だと思う。
ある宿で遍路の靴を見た。先達を含むベテラン6人の靴はほぼ同様な軽量志向だった。
一人場違いな登山靴の人がいた。
この方(男性)、上半身は遍路姿だが下半身は登山靴にタイツと短パン。顔は普通のおっさん。
余計なお世話だろうがミスマッチそのもの。それって山ガールの格好だぜ。
「これがホンマの四国遍路」で著者大野さんががけちょんけちょんに貶しているのが登山歴豊富の人の歩き遍路。
「俺って山経験豊富なんだぜ」という自信過剰がにじみ出ていて挫折する人が少くないという。そして、そのバカげた自信の表れとして登山靴を挙げている。
そういえば辰濃さんも登山靴で一度失敗している。
登山姿というとかっては厚いウールの二ッカーズボンに深い登山靴があるべき正装とされていて30度を超える夏でもこの格好で登る人が多かった。
いつの頃からかできるだけ軽装で登るのが格好いいとされるようになった。
2015.12.3記