坂東眞砂子さんがなくなったことを知った。
まだお若いのに
ラジオでインタビューを聴いたことがある。
海外暮らしや猫殺しの件で有名だが「死国」という作品は知らなかった。
何やら四国遍路、しかも逆打ちが大きな要素となっていると知って読んでみた(角川文庫)。
「四国は死国。四国はその原初において死国だった。
死国はかってこの世に存在したのだ。
そして今も神の谷によって四国は死国につながっている。
しかし、生身の人間が死国に行くには別の道をたどらないといけない。
それが左回りの遍路道~」
実在の歩き方=逆打ちのほか、高知の人らしく石鎚山やお寺のことなど地元の知識をうまく使って
おどろおどろしい、横溝的雰囲気をもったホラー小説に仕上げている。
(四国についてこのような言い方をしてクレームがつかなかったのだろうか。これでよいなら村上春樹だってわざわざ作品内容を変更するまでもなかったのではないか。)
ホラー小説の最後は生き残った者にもとりついているものの端緒がうかがえてぞっとするというシーンが多い。
板東さんも高知で、あの病気で短期間にお亡くなりになってしまった。
まるでご自分の小説に出てくる神の谷に引き込まれてしまったように。
そう思うと怖くなる。
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
(薬師如来真言)
2016.7.18再掲(2014,4,20当初)