長期不在と室内換気

友人に地方から上京・進学してそのまま就職し、いつの間にか両親は他界し実家は無人の館、というケースが結構ありました。

家のメンテに苦労しているようだったので、そこらへんを意識して次のような項目を作りました。一部を紹介します。写真は省略


      バッテリーを使わない独立型太陽光発電システム ―無人家屋の室内換気―

 

本書の中心内容は実用性と汎用性を考えてバッテリーを使いながら大小の電気器具を使う独立型太陽光発電です。ですが、バッテリーも自動運転のための電子機器もまったく使わない非常に単純で、それでいて役に立つシステムがあります。DCファンによる室内換気です。

 地方から都会の学校に進学し、そのまま就職して親元に帰らないという人が多数います。いつの間にか年月がたち、実家は無人の館になっているという状況も見受けられます。別荘・山小屋をもっているけど忙しくてなかなか行けないという人も似ていますね。

 これらの場合、困るのが空気の入れ替えがないため,家が傷むことです。そこで毎日昼間、強制的に室内の空気を換気するため、換気扇を取り付けるのです。といってもわざわざ壁に穴を開けるのではなく既存の換気扇をDCファンに取り替えるものです。私の小さなログハウスで実際に数年間運用し、現在にいたっているものを紹介しましょう。

既存の換気扇

 室内上部に排気のため、換気扇(パイプファン、写真a)が、その反対側には空気の取り入れ口があります。換気扇外には雨が入り込まないようフードが付いています。換気扇を取り去ると丸い穴があります。このところにDCファンを取り付けることになります。

 

  写真 

 

  a              b

設置方法

 DCファンは平面上に4箇所のビス穴があけられていますが(写真B)、既存の丸穴(開口部)との関係上うまくネジ止めできるとは限らず、その場合どうやって取り付けるかが問題となります。私は、次のようにしました。

                                c

 DCファンの周囲を4枚の肉厚の板ではさむようにしてビス止めする。板をほんの少し短めに切り、上下左右向かい合う2枚の板をビスで締め上げるようにしていけば落ちません(写真c)。

 この板を内壁に取り付ける。軽いので大き目のL金具で固定できます(写真d)。

 * DCファンの取り付けにあたっては風向きに注意してください。本体には矢印で風向きが刻印されているのが一般です。* 既存の穴が大きい場合は、まず穴をふさぐ大きな平板を用意

し、その中央部にDCファンに丁度よい穴を開けることになります。

配線と安全策

 DCファンの電源線(+の赤色と-の黒色)はあらかじめ側板から出しておき、後で太陽電池からの電線の+と-(赤と黒とは限りません)につなげます。 

 使う電線については、流れる電流は小さいものの、物理的強度、長くなる場合の電圧降下を考えて十分に余裕を持って選んでください。1.25スケア程度は欲しいところです(電線については1.3.10参照)

 このとき、念のため過電流が流れないようDCファンの定格消費電流が0.2Aならこれを少し上回る程度の小さなヒューズ(0.3A)を途中に入れておきます。ヒューズは木枠へビス止めするものでも線の途中にいれるものでも自由に選択できます。

虫対策

 網戸の網を小さく切って外の穴周囲に張ります。張る方法も外壁が木製なら両面テープよりステイプラで打つ方が手っ取り早く確実です。ただし、さびないようステンレスの針を使ってください。文房具であるステンレス針の使用は小さな工作にはかなり有効です。

防寒対策         

 たまに帰って、その部屋に寝泊りするのであれば、冬季、夜間の外気侵入は避ける必要があります。そのためにかわいい木の扉を作ってみました。板を蝶(丁)番とマグネットキャッチで止めています(写真d)。

DCファン・太陽電池の選択と使用感                     d 

 DCファンは新品・中古品が大量に出回っています。9㎝・0.2A程度の新品で10002000円です。

 太陽電池は小さいもの(12V系5W程度)で稼働できます。身近にあったGT434(公称最大出力12W,公称最大出力動作電流075A、公称最大出力動作電圧16.3V)を使いましたが、やや余裕があり過ぎで、このDCファンなら、2台は同時に並列稼働できます。

 曇っていても、雨が少々降っていても明かるければ回転します。一般に曇りや雨の時は発電しないかの書き方もされますが、それは不正確で若干の発電はしています。雨が降っている時も外気を吸い込むのはマイナスでは、とも考えられますが、トータルで考えて曇りの時も、より多く空気の入れ替えをしてくれる方が利点あるものと考えます。気になる場合はより小さなパネルに変更するか、DCファンを1台増設してもよいでしょう。

 太陽電池を載せる架台

 架台については1.3.22.3で述べているので参照ください。

 

 

 この項目、あまり汎用性がないのではと考え、去年の増補改訂版では削除してしまいました。

 読みたい方は図書館にあるかもしれないのでそちらに当たってください。

現品は全くの無操作で元気に回っています。コントローラーなし(これはバッテリーの存在を前提とするので装着不能)なので0Vから開放電圧20V近くまで電圧は変化し、もし電子部品が入っている場合は壊れます(定格電圧16v位が多い)。

 DCファンはモーターしかないので20V近くまでの電圧激変に耐えています。

すぐ壊れるバスポンプ、オイル缶ケットストーブとは比較にならない働き者です。

壊れても秋葉原の裏通り(千石電商あたり)や例のガード下に行けば500円から1000円でゴロゴロしているので財政的にもさほど苦になりません。

 充放電制御器、インバーター、バッテリーも不要の独立型太陽光発電システムが有効に機能するのは、あと、水のくみ上げ程度だと思います。

 

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当園の概要

 

完全オフグリッドです。

 土地:1千数百㎡、一辺は舗装公道に面する南向き方形平坦地。病院、ホームセンタ、コンビニが其々複数あるもなぜか都市計画区域外。2002年取得

 山小屋:柱を4本建て、それに斜めに屋根をかける竪穴式住居構造。白川郷の合掌造りに似ているところもある。床は土間。 

 

電気:独立型太陽光発電 第1装置 24V1KW発電,

第2装置 12V約200W発電

それぞれ1500Wインバーターを介してサイン波AC100Vで使用。他にバッテリなしのシステムがいくつかあり。

 

水: 雨水利用:3カ所の屋根(PV架台を含む)で集水して1トンくらい貯水:下屋屋根などを活用すれば増量は容易だが使いきれないので計画なし。

飲料水:〇〇の駅で150m深井戸の検査済み水をもらえる。

 

汚水処理:新見式準拠

 

改良及び近い将来の計画

①止水(雨水)対象の簡易緩速濾過装置(今後)

②山小屋の改良

・二重屋根化(終了)

・土間床を防湿コンクリート部分と伝統的三和土部分にすること(終了)

・外壁に沿って犬走敷設(終了)

・ポリカ平板で大型ひさし(終了)

・無線ANT用パイプ設置(終了)

③小屋内土間に蓄熱のための大きなコンクリート桝+FRPバスタブを設置(終了)。これを活用する具体的方策(今後)

④厳冬期無暖房自己体温のみで過ごせること及び建物が崩壊してもその部分は現状維持が可能な小屋内シェルタールームの建設(終了)。ふだんはゼオライト、粒状活性炭の少量備蓄庫として使用。換気はDCファンと塩ビ管によっている。

⑤入口ドアの断熱・防音・採光化(終了)

⑥入口両脇に収納庫設置(終了。片側はバッテリーバンク庫)

太陽熱利用のエアヒーター(装置は数個完成)。その運用等(今後)

 ⑧ 無線通信(モービル)

430・144MHZ FM50W出力(終了)

余剰雨水を活用して平城宮跡東院庭園にある洲浜の池をイメージする小さな浅い水辺を作りたい(規模は畳1~2枚程度)。

 

 

 

 

1kw独立型太陽光発電
1kw独立型太陽光発電
初めての雨水利用
初めての雨水利用
こちらは絶版です。
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