リチウムイオン電池の寿命はあと5年
センセーショナルな見出しだが定評ある日経エレクトロニクス2017年2月号の表紙は
ポストリチウムイオン電池急加速
現行技術の寿命はあと5年 とある。
現行リチウムイオン電池(以下LIBという。)が確定・最終的なものではないこと、ニッケル水素電池の能力はかっての倍増といった程度の知識はあったが、あと5年とは!
中国製LIBをしきりに推奨している人がいるが安ければ使うがあんなに高額ではとてもとても。
鉛電池を使っている人間としては妙に安心してしまう。
これまた物騒な見出しであるが「現行LIBは三つの限界で自滅へ」とある。
えー、なになに?読んでみると
1安全性の限界
2エネルギー密度の限界
3材料コストの限界だそうだ。
1についてはギャラクシーノート7に象徴されるとする。この件での損失は2兆円になるそうだ。
2 現行LIBではエネルギー密度の理論限界は迫っており、「あと数年はやっていける」程度らしい。
3 主に正極材価格が高騰しかつ高止まりが避けられないとのこと。
背景として中国のEVバスブームやテスラモーターズのLIB工場の稼働に向けての動きを上げている。たくさん使えば安くなるという白物家電のようなことにはならないらしい。
ではその先は?
4種類くらい同時並行的に開発されているが「全個体電池」「金属空気電池」なるものが本命かとあった。
東工大とトヨタ自動車が共同開発した全個体電池はすごいらしい。
シャープ、三菱、東芝と伝統的巨大会社の衰退は著しいがトヨタの技術力はどうしてああまで高いのだろう。
電池を制する者は産業を制するというがこの分野での各国の競争は激烈。トヨタ・東工大の社員名簿・職員名簿の管理、定年退職者の動向把握はお大切に。産業スパイなど当たり前だろう。
2017.2.25記