全個体電池とトヨタ v2
電気自動車関連でバッテリーについては何かと世の関心が高く、雑誌でよく特集されるが、感心するほどレベルが高く参考になるのが日経エレクトロニクスだ(誌名は多分)。この号の特集は単行本を上回る内容だった。
軽薄なマスコミはトヨタは電気自動車に乗り遅れているといっているが、リチウムイオン電池は限界が見えており燃料電池車以前に電気自動車の浮沈は全個体電池の開発にかかっているといわれている。
そして全個体電池の特許出願は国内外で圧倒的にトヨタがトップとなっているのだ。
おそらく全個体電池を登載する量産世界初EBはトヨタになろう。
そのとき、テスラこそ真っ青になるだろう。
*エンジンがない電気自動車は家電など他業種からの転入が素早く簡単にできると言われてきた。ならばバッテリー自体を自社で開発・生産できる自動車メーカーはなおのこと何時からでもEV車に一気に参入できることになるのではないか。
*車は動くもの。家具ではない。テスラは受注こそ膨大な数になっているが生産はトラブル続きでまともな数になっていないではないか。ロケットほど精緻ではないがまともな大量モノづくりは経験がないと不可能。マスコミはヨーロッパのディーゼル車を礼賛してきたことと同じ醜態をさらしているかのよう。
東芝のSCIB電池について
この電池は全個体電池でなく液式電解質のリチウムイオン電池であるが数値的優位点はかなり前から知られていた。どうしたのかと思っていたががここ最近になってようやく実車登載になってきた。三菱、本田、鈴木など。
このマーケットの実績は大きい。話は飛ぶが吉田某社の防腐剤「クレオトップ」がその抜群の使い勝手の良さで特に宣伝をしなくても圧倒的に支持されていることを思い起こさせる。
この電池に関して2017年になって20分で充電できるとか凄い数値が出てきた。
上のSCIB電池と同じなのか違うのかはっきりしなくて少々混乱したが「新型SCIB」というものらしい。この点戦略的に下手だと思う。もっとわかりやすく!
こんなに短時間で充電できるというのは全個体電池でねらいとするところの主要部分を具現していることになる。
EBバッテリーと新型SCIBバッテリーについて
私は太陽光発電のバッテリーバンクにEB100を使っている。重く(30キロ)大きいが、タフだし(5時間率で100A)、安価だし(22000円くらい)、国産だし。
今回驚いたのは東芝は無人搬送車、フォークリフトなどまさにEB100が対象とする使用目的に特化したシリーズも商品化している点だ。
バッテリー液の補充は不要だし、10年使っても80%の能力は残るという。太陽光発電での使用は電動車のようにフル充電→完全放電で1サイクルということはなく、放電と充電がダブることが多くかなり持つ(単純化すると2倍は行く感じがする)。
現にEB100は5年連続使用している。
新型SCIBバッテリーがカタログとおりとすると20年近く持つというすごいことになってしまう。そのとおりなら独立型太陽光発電システムの標準バッテリーになってしまうだろう。価格次第だ。
東芝が半導体や医療検査機器を売却してもこのバッテリーを温存したのは余ほどの自信があったからかもしれない。
鉛バッテリー→新型SCIBイオンバッテリー→全個体バッテリの流れになるかもしれない。
2018.3.5記