④竪穴住居とコルビジュの休暇小屋
コート・ダジュールの小屋に中村好文さんは8回も行っているそうだが、なんと竪穴住居的な居心地の良さがあるといっている(2016.11.19日経)。
わかるような気がする。
窓がない、少ないと暗いが先がわかっている洞窟の中にいるようで保護されている感じがする。
⑤ 防湿土間コンクリート2枚目
実際に現場作業をするとアイディアが浮かんでくるから面白い。
主婦に台所用品の特許や実用新案が多いのも頷ける。
今回考えたのは次のこと
・第1層空ねりコンクリートについて周辺部の強度は大切なのでこの途中で水をまきながら加圧していった。
1層が終わった段階でまく水量も若干ふやした。良さそうだ。
・土間シートは1層表面に出た砂利で傷つく可能性もあるのでふるいにかけた細かい山砂をまいた。
・メッシュを浮かせるのに目地充填シールを活用した(薄いので)。
1枚目と2枚目のつなぎがどうなるか心配もあったがほぼ平面で納得できるものとなった。
土の上にシートを置くとたちまちに水滴がつく。それほど蒸散が多く、部屋はそれで満たされていることになる。
が、まだ乾燥不十分だが土間コンクリート上に置いても水滴はつかない。
嬉しい。これなら生活、物資保存も安心だ。
参考 土間シートの規格と価格(直近)
0.1㎜厚 幅2m(二つ折り)で1m103円でした。
2016.11.19記
⑥ 土間にこだわる理由
総論になりますがそもそも土間にこだわる理由をここで一言
昨今、田舎に安い小屋を建てて安いコストで生活を云々、というブームが一部にあります。なるほどと思いますが私は全く別です。
理由というか目的・目標は
・ソ連・ロシアのダーチャ、
・あるいは白洲次郎・正子一家が戦争中に当時のド田舎町田市に住んだ武相荘
・あるいは大震災、戦争で全壊・まる焼けになった後の避難小屋
をめざしているものです。
一言でいえば社会・政治恐慌下でも生きて行けるための術となるものです。中国では誤った「大躍進」政策で千万人以上の餓死者を出しましたがソ連崩壊に際しては死者は出ませんでした。ダーチャと言われる貧民のクラインガルデンがあったからです。
発電所は機能停止、ガソリン・石油も取得できないことを想定するので商用電気その他のライフラインはゼロ、サツマイモなど農作物を栽培できる土地のあることを前提とします。
海まで歩いて行けて海藻や魚を獲れる場所でなかったのは残念ですがその分津波被害は避けられるので「ま、いいか」と思っています。
(とはいっても東京、神奈川、千葉の都市部でも自転車で1時間かければ海までついてしまいます。そこに魚や海藻があるかは別でしょうけど。
とにかく二次大戦下でも海近くに住んでいる人に餓死者は出ていません。畑まで持っていれば鬼に金棒でしょう。
脱線しますが、漁業権って農地のように固定資産税や相続税を支払わずに公共物を私物化しているようでちょっと考えるととてもおかしいと思います。養殖等特に手を加えている物は別にしてですが。)
とはいっても昨今の日本、夏はより暑く、冬もより寒くなっています(前冬の南関東平地の最低温度はマイナス5度くらい)。
暖房はどうするかと言えば両生類、クマの冬眠、アイヌのチセ、縄文人の竪穴式住居が参考になります。
夏冬通しての費用の掛からない汎用性ある低温・高温対策を一つと言えば土壌の持つ地中熱利用と考えます。地下4mまで掘らなくても土間だけでもぬくもり(冬)、ひんやり感(夏)双方を手にすることができます(広義の太陽熱利用)。
自宅の庭で犬を飼っていたときですが、真夏の暑いころになると犬はしきりに芝や土を掘りお腹をその穴に付けて涼を取っていました。動物って本能的にわかるんですね。
高床式は夏季限定になってしまいます。地表数十センチ上に床のある一般の家屋は通風孔もあり、防湿以外に暑さ、寒さへの効果を持つようには感じられません。
おまけ
あの厳寒の北海道の海岸でテトラポットの隙間に身を置いて冬を過ごしているホームレス諸氏の姿を拝見しました(2016年3月TV報道)。
こちらは対流とか自己体温の反射とかの論点に連なるものでNASAの研究に近いものを感じます。
2016.11.21 v2記