暖房について一考察 ①
天窓のある家、吹き抜けのある家。
初めて家を建てる人でこういったものにあこがれ、そう設計するよう依頼する人がいる。
実際そういう家に住んでいる人に話を聞くと
高いところに位置する窓ガラスの清掃が大変
天窓は夏の熱さが大変
吹き抜けがあると暖房が大変
という返事が多いようだ。
どうも二世帯住宅と同じで収支計算すると黒字の結果を伴わない感じがする。
ちょっと思うところ,もちろん一私見に過ぎないが「暖房」に関して一言。
1 狭い方が圧倒的に有利
広い部屋全体を暖めるより小さい空間を暖める方がコストがかからず楽なのは自明。
・吹き抜けのない方が、
・6畳より4.5畳、4.5畳より3畳、3畳より2畳の方が
2 暖かいか寒いかは体感の問題
赤外線を中心とする電磁波が直接当たればその物体の温度を上げ、暖かいと体感させ
ることになる。照射源から離れると暖かさを感じられなくなるが。
したがって対流式より放射型暖房がコスパに合致すると考える。
狭い空間内で直接赤外線を照射する暖房器が日本人の大好きな「こたつ」
3 極限まで空間を狭くすれば自己体温自体を暖房器具同然に使える。
北海道冬の海岸で、テトラポットに住んでいるホームレス氏は顔も自由に動かせないほどの極小空間
にし、ごみを詰め込んで寒さをしのいでいる。
nasaが開発した何とかという素材着用も同趣旨だろう。
この原理を具現化した「自己体温暖房ルーム」を作製した。
種明かしをすれば部屋の中にさらに小さな部屋を作り自己のエネルギー100Wを活用するもの。
(いずれ公開)。
4 灯油も電気も使わない暖房として利用したいのが太陽熱。
夏に水を温めてシャワーに、だけでは太陽熱利用として寂しすぎる。冬こそ使いたい。
温水にではなく空気暖房に使いたい。
多くの識者が広大な集熱板を要することになって無理、としているが疑問だ。
冬季、エンジンOFFの車内でも太陽光が差し込む限り車内は暖かいではないか。
こたつ的に小さな空間限定にすれば暖房に使えるはず。
直射日光の当たる環境下という限定はあるがその限りで灯油、電気の使用が避けられ
るのであり経済効果があることは否定できなかろう。
1か月前、新たな試作機を作製して昨日実験してみた。(いずれ公開)
実験
太陽電池を含む一切の動力を使わず、温度上昇による熱気の上昇を利用するだけのもの。
写真は下部外気取り入れ口。
以下の写真で、左の温度計三種は地上部に設置した温度計。デジタル2種は外部と箱内双方の温度を示すが安価なものにつきばらばら。
右は箱内上部の温度を計測する別の温度計。
日没前、最後の陽ざしが直角に当たったためかなり高くなった。
バラボラアンテナタイプのように光を一点に集中させるのでなくても予想外に高くなる。
棒温度計にも当たったため棒温度計自体の温度が20数度に上がっている。百葉箱が欲しいくらい。