現代風竪穴住居と防湿‣伝熱土間 ①
住宅公団が数十ヘクタールの広大な土地開発を行う場合当初からすべての詳細な計画を打ち立てるのではなく何分の一かは未計画のままにしておくようだ。
この考えは個人の小さな敷地や建物計画でも有用と思う。
誰でも経験や知識の積み重ねで後になるほどよりよいプランが浮かんでくる可能性が高いし、資金に余裕も出てきてその点でもより良いものが作れるかもしれない。
ベストセラーの「思考の整理学」に近いところもある。
この書についてはヤフーの次のところでうまく説明されている。
編集あり2012/4/113:27:10
良い発想は寝かせる(熟成させる)ことである日、無意識から意識に降りてくる。あまり一つのことにかかりきりになると煮詰まるので逆効果。良いアイデアは適度に力が抜けた状態に生まれやすい。例えば早朝など。考えに詰まったら一度寝てしまうと朝には答えが出ているものだ。
私の場合、竪穴式住居的な土地表面のもつ地中熱利用の家を作りたいと思って上物は先に作っていたが肝心の土地表面の処理をどうしたものか考えがまとまらず、とりあえずの妥協的なものにしてあった(写真)。
それを少し紹介すると
①水はけのよい山砂を敷き
②その中に排水を考えて砂利と穴あきパイプを通し
③その上に養生用プラダンを敷き
④その上にブルーシートを敷き
⑤その上に山砂を撒いて床とする
というものだ。
かれこれ6年くらい使ってきたが
・大雨の場合シートの隙間から水がしみだしてくる
・シートの脆弱性
・表面が砂や土ということから生じる不安定さ、汚れ・ごみの排除のしにくさ
などの欠点もあり寝泊りや湿度に弱い機器の保管を伴う生活には改善の余地があると思うようになってきた。
そこで変更することにした。
といっても地中熱利用を大前提とするので
ア 防水・防湿性
イ 伝導性
といった要素を兼ね備えたものにしなければならない。
以下続く。
2016・11・1記
現代風竪穴住居と防湿‣伝熱土間 ② 工法の決定と施工
手伝い無し、業者〈生コン〉・機械〈攪拌機〉を使わない、小予算で行う前提で考えたのが次の方法だ。
間に防湿シート(毛管現象による吸い上げ阻止)を挟んだ二重のコンクリート床
単純な方法だが問題はすべて人力で広さのあるコンクリート平面にするというのは相当な作業量を要することだ。手順はざっと次のようになろう。
①土削り
②砕石敷設
③転圧
④コンクリート打設・乾燥
⑤防水シート展開
⑥ワイヤメッシュ
⑦コンクリート打設
それぞれ高さ・水平を測りながらだからこの点でも気を遣う。
また、セメント、砂や砂利の量も相当量に及びそうで作業量、費用の点でも結構なものになりそうだ。
なんとか合理化・低減化の工夫をを図りたい。
合理化プラン
1 ②から④を1回の空練コンクリートで済ます。
2 砂については山砂を使用する。
1 空練りコンクリートについて
昔、NHKTVでガーデニング番組があり、そこでデザイナーはしきりに空練りコンクリートの使用を示していた。
確かに施工の簡便さは魅力で私も小道の舗装に使ってみた。
が、結果はというと強度はなく何年たっても表面からボロボロ砂利がはがれてくる。
新幹線のトンネルでコンクリートの強度不足起因の壁面崩落事故があったと思うが、適正な水と十分な攪拌を前提に強度が設計されているものについて、あとから表面に水を撒く程度で同様の強度が出るはずはなかろう。
私の思うところ
普通にコンクリートに期待されるものを前提とする使い方ではない。
砕石を敷きならべ転圧するに際してセメントを混ぜるという考えだ。具体的には砂利の比率の多い空練りコンクリートを充填し、そこに十分な転圧を加える。したがって仮にセメントがなくても踏み固めた砕石層としての地盤強化的性質があることになる。
事後に水を散布するが上層部はこれでコンクリートになったとしても下層には水の浸透は不十分のはずで、そこは単純な固められた砕石層ということになり、それで良しとするわけだ。
2 山砂の使用について
ここでいう山砂とは関西で想定される御影石系列の固いものではなく、関東で使われる砂岩系列のもので羽田空港の埋め立てや水道管埋設で使われる黄・茶色のものを前提としている。
地盤改良用にトラックで運んでもらい、残りが山積みしてあるのでこれを使って経費削減を図ろうとするものだ。
一般的な砂とどう違うか比較実験しているわけでないので不安がないわけではないが
ここでも踏み固めて作る砕石層的な第一層として使うことから見切り発車することにした。
コンクリ充填前
将来どういう使い方をするか不明確なのでコンクリート埋設用の朱色のCD管と水道用塩ビVP管の2本を下に通しておいた。
空練りコンクリートを打って転圧しそのあと如雨露で水をまく。
中1日で表面はかなりしっかりしたものになってくれた。山砂使用なのでうす茶色となっている。
第1層が完全に乾燥する前だが、ほぼ表面が固まった段階で次の行程に進む。
まずは防湿用シートを広げる。
このかなり厚めの上質な建築防湿用シートが入手できるのは嬉しい。
昔、某大手住宅メーカーに重量鉄骨の家づくりで見積もりを取った時小さな家なのに防湿シート一式で15万位の費用を計上していた。
素人へのぼったくり体質は今話題の公共建築積算と変わるところはない。
幅3.6mのものが1m単位で2,3百円ととても安い。こんなの誰でも施工できる。
(但し、置いてあったHCはジョイフル本田だけだった)。
その上にワイヤメッシュ(1m×2m)を載せ、コンクリート充填。
こちらは正規の砂を使った一般的な作り方によった。
高さは脇の型枠、断熱材へ板を載せて判断・調節。
60Lの舟で6,7回こねたかも。疲れる。
ワイヤメッシュ(1m×2m)1枚分完成
地面からの湿気上昇がないからか、室内だからか乾燥が早い。
1日1枚分と抑え気味にすれば思ったより早く終わるかもしれない。
長距離連続歩行の場合、蓄積疲労を考えて1日30キロ以下に抑えたほうが良いのと似ているかも。
2016.11.3記