京都を扱う淡交社絶賛
京都奈良に寺社参観に行くとき、解説書、案内書を手にすることがあると思う。
私の場合帰ってから手にすることも多い。
最近思うのは淡交社のそれ「古寺巡礼 京都」が総合的に見てトップクラスのものではないかということだ。
まずはサンプルを。
なぜかというと、
コンパクトで軽量、したがって現地に持って行けるものであり
それでいて内容は最高ともいえる充実ぶりなのだ。
学者のほか当該お寺のトップも筆を執っている。内部の人間ならではのものが必ずある。
冒頭には誰もが知っている有名人のエッセイがあり、これも本を色濃いものにしている。
なんでも東京在住の知識人を、という傾向はおかしいと思っているがこのシリーズは地元関西の学者が中心であり、また淡交社の深い地元愛に基づく編集態度はよそ者の追随を許さない内容に結びついている。
末尾の地図からして違う。
(境内の詳細な地図とともにやや広範囲なアクセス地図も載せている。これだけでも光る。)
法界寺を取り上げたのは私にとってうれしい記事があったからだ。
方丈記は学校教科書にも載るので知っている人が多く、文庫本も多い。
それら文庫本の末尾辺りには方丈庵の場所について触れてあるものが多い。
ほとんどは誰かの書いたものの引用に過ぎない。
仮想追体験に過ぎない。
リアルに見ると違うのだ。おかしい、と自説をだいぶ前から述べているが
「どこの馬の骨」による「犬の遠吠え」に過ぎなかった。
平成20年発行の本書で京都市美術館長村井康彦氏が同じ基盤に立つ見解を述べているのだ。
これについては、次回に。
2015.12.16記