庭づくり ①足し算と引き算
良い写真を撮るためには、機材の準備は充実していることが望ましく(足し算)、写す画面としては無駄・冗長、緩慢を避けるため引き算が望ましいとされるそうだ。
庭づくりでは?
写真は小学校低学年でも撮るが、初めて自分の土地を持って庭づくりを行うのは中年以降がほとんどだろう。
そして、初心者として無意識のうちに作っているのはひたすら足し算の庭だ。
あの木,この木、よそで見たあの花、図鑑で見たこの花、ホームセンターに並んでいる花と木。
アパート・マンション住まいの悲しい習性で無駄なスペースは残してはならないと境界ギリギリに植え続ける。
5年もすると大きくなった木々は境界を越え、窓からの視界、良好な採光を遮るようになっている。
初めてしまったと思う。
と、えらそうなことを言う資格はある。過ちを繰り返しているので。
高くならない木でも枝葉は横に張り、鳥がもたらす種から予想していない木々が育ち始める。
これらをみて自然はいいなーと思っていられるのは当初のひと時に過ぎない。
いつの日か小さなブッシュ、立ち入ることが億劫となるコーナーができている。
やっと引き算が必要だと痛感するに至る。
せっかく作った小さな中島と丸く囲む水辺がそうだ。枝が邪魔になって反対側に行けなくなっている。枯れ葉が混入しても取れないでいる。
で、引き算のために庭の変更を決意。
小木を5本、他にヤブラン、サツキ、たくさんのアヤメの株を引き抜くちょっとした土木工事になる。
家づくりも庭づくりも基本は土木工事。費用をかけずに自分でやろうと思ったら体力と時間が不可欠。
掘った土と植物をどう処理するかも問題となる。
② 引き算の庭工事
水辺に傾斜の土手がかかり、植物が水面を覆うことこそ多自然型でいいと思ったが考えを改めることに。
縁の土壌を削り平坦にし、周りを歩けるようにすることこそ親水性に富むことになる。刑事訴訟における見える化思想に近い。
崩れかかっている大谷石を一個、階段にしよう。
左の岬と右の浮島のイメージがはっきりしてきた。
とりあえず半分完成。
仙洞御所の洲浜の石は一個米一升に匹敵したらしいが、こちらは割栗石なのでセブンコーヒーの半分くらいかな。
2016.10.11記
おまけ
仙洞御所です。
庭づくり ③ 工事に伴う大量の植物の仮移植
小さな植物でも一つ移動させるには掘り起こして→別に掘った穴に移植と最低2回の穴掘り作業となる。
これが50,100となったらお手上げ。しかもどこに移すかはっきりしない場合もある。
枯れさせたくはないし。
そこで思いついたのが以下の仮移植。
防草シートの上に残土を載せてある。これを利用しよう!
山を台状にならす→そこに移植したい株などを並べる→その上に土をかぶせる。
いわば土によるサンドイッチだ。
2016.10.12記