生垣の逆襲
生垣は童謡の歌詞にもなっているが、目に、環境に優しく、ブロック塀のように地震で倒れることもないと世に好意的にみられる。
自治体によっては設置補助金を出すところもある。
だが、予想外の問題点をはらんでいる。
かって住んでいた住宅地にある一般的な家では周囲4面のうち道路に面する南面にはカイヅカイブキ、空き地になっていた隣地に面する東面にはニッコウヒバを列植した。
ニッコウヒバを選んだ理由は常緑で、安価で、目隠し用に大量に購入するのにふさわしいと思ったからである。
ところが、日当たりもよいこともあって順調に成長し厚み、高さが増してくる。
定期的に剪定しないと下部・内部は枯れて赤茶けてくる。そしてぱらぱらと固い針葉が落ちてくる。境界を超える厚みにもなってきた。
こうなると定期的な剪定が不可避となる。
その手間たるや大変。
ブルーシートをロール状に敷き、脚立も使って剪定。
その手間も刈り取った枝葉の処理も簡単ではない。
時間単価×時間×日数、切枝葉の処理、危険手当に換算するとかなりのもの。
(植木屋さんに頼む場合はその費用)
自ら設定した第二の固定資産税だ。
田舎暮らしでは敷地内の危険あるいは邪魔になる立木の処理が問題になるが都会の広くない戸建て住宅でも生垣に関しては似た問題が生じる。数年放置し高くなってしまったら危険性の問題が出てきて高齢者では対応できなくなる。
こちらは郊外の1000平米を超える広めの土地
普段目にしない家の裏に境界から数十センチ離してベニカナメモチを列植した。
この苗木、安く、成長力が旺盛で目隠しにいいと思ったからだ。
最初は頼りないすがたで養生に気を使ったが、数年たつと
「僕、もう大人です。あたし、大人よ」と 自己主張をし始め、どんどん大きくなりはじめた。
生垣の域を超え、それぞれが一本の樹木を目指すようになってしまった。
こうなると大変。背の高いものは脚立に載らなければならないし、刈り取ったものは山のよう。1日かかりへとへとだ。
油脂分が多いのかイチョウのようであり腐葉土にもなりがたい。