2 置屋根(二重屋根)の製作開始
⑥ 既存屋根材の撤去
既存屋根は構造合板の野地板の上に防水シートを敷いてアスファルト系波板を載せているだけの単純なつくり。
瀝青系波板のほか、その下の防水シートも剥がすことにした。
というのはこの波板は横さんなしに直接防水シートを貫通させて野地板に止めているので、10年たって水漏れ、腐食、カビなどが生じているか確認したかったので。
其の形跡は認められなかった。防水シートは予想以上にしっかりしている。
* 参考 野地板の下の構造
写真のように断熱材を2枚の構造合板で挟んでいる。
通風層、防水透湿シートなどは一切使っていないが結露は見られない。時流に反している?
自宅は大手ゼネコンが作った家だがそこでも通風層なしに断熱材に石膏ボードあるいは合板を直接貼り付けているが。
⑦ 野地板の上に敷く防水シートの選択
このシートと屋根材の間の空間は熱の伝導を防いだり、熱気を上昇させて逃がすという大切な意味を持つ。
そこで裏方とは言えないシートにはHCにあった4種類ぐらいの中からもっとも高いものを選んだ。安価な物の2倍弱の価格がするが額としては20mで5700円なので手が届く。
一般に防水シートは垂直の力には強いが横に引っ張ると簡単に切れる。が、これはゴム的性質が強くとても切れにくい。また軽いなど選択して損はない。
タッカーで貼ってゆく。
2017.12.8記
⑧ 縦に空隙確保板を設置
独自の工法につき何という名称にしたらよいのか分からないが、熱の伝導を防いだり、熱気を上昇させて逃がすための空間づくりに不可欠。
空気の流れ優先のため縦方向に打ち付ける。
板は間柱27×90×300を使用。
後に出てくる部材はすべてここに取り付けるので
・防腐剤を塗り
・野地板の下の柱に届く長さのコーススレッドを使用
・最下段はステンボルトナットを使用
⑨ 波板取り付け板の設置
その上に波板固定用の板を横向きに取り付ける。
A字型ハウスの屋根(屋根なのか壁なのか不明。その中間か)は斜めなので脚立をそのまま置いて作業でき、楽かつ怖い思いはとても少なく済む。
これで27+27=54㎜の深さ?となった。縦の板をツーバイ材にすれば
89+27=116㎜となるが。
⑩横樋取り付けの準備
最終屋根材を葺く前にやっておかなければと頭をよぎったのが二つ。
・ここに薄い断熱材を入れる必要はないか
・樋取り付けの準備は今のうちにやっておかないと
ということだ。
雨どいの準備は左のように考えた。
⑪ 反射と伝導減少、空気の流動のための空間なら断熱材は不要かも。
ただ、すべての電磁波を反射できるはずはなく何割かは受けた光を熱エネルギーにし、今度はそれを他に放射し始める。
それを少なくするため少しは入れて置こうと薄い断熱材を介在させることにした。
10㎜の断熱材はと言うとHCにはスタイロホームは見当たらず発泡スチロールしかなかったのでこれを使用。
割れやすいが1枚234円と安価な点は助かる。
2017.12.8記
⑫ ガルバ鋼の選択
ガルバ鋼の利用は急速に増えているようだ。
内容が良いものは特に宣伝しなくても広がってゆく、ということか。
錆が目立つ旧来のスチール物置もそのうちこれに取って代わられる気配が見える。
ただ、屋根に使われる波板と壁に使われる角波板でかなり内容に差がある模様。
前者は0.3㎜台で厚めで重い。後者は0.2ミリ台が多い。
屋根の場合,降雪対応もあり一定の強さが必要だからか。
私の置屋根には角波を使うことにした。
屋根と言っても、傾斜53度で壁に近く雪が積もるということはないし、前述のとおり角波の方が美的に優れていると思うからだ。
さらに角波でも厚さがいろいろで薄いものに0.19㎜があったので、これにした。
かなり軽くなるし、薄ければそれだけ熱容量が小さくなり(蓄熱量減)、熱しやすく冷めやすくなるからだ。熱しやすいという欠点は反射性で緩和できると思う。
それに薄いということは場所により4枚が重なるカ所でも不都合が生じにくいという良さが出てくる。写真は発泡スチロールの上に敷設しているところ。
価格 0.19㎜ 728円 0.27㎜ 1131円
結構な枚数を使ったがカットは1枚もしていない。
上下の長さは2枚の重なり長さ調整で、左右の幅も左右の重なり幅調整で処理できるので。
ステンのコーススレッドで平坦部を固定。
少しずつ横に拡張していく。
⑬ 蔵の風景
ここでちょっと街で見た風景を。
10年来車を運転中目にする気になる蔵があった。
やけに立派なしっかりしたお蔵なのだ。
しかし、交差点の脇、しかも周りに車を停めるスペースは全くない。それで10年車からちらっと見るだけ。
気になって仕方がない。
かなり遠くに車を停めて歩いて見に行った。
失礼ながら、敷地の狭さに比べて立派すぎる。
回りの木も太い。
ミステリーだ?
隣に路地のような狭い道があり小さな看板があった。
なんと、大名が参勤交代に通った道とのこと。
わかった。
人馬しか通れない道を近代的な道にするため敷地を収用したのだ。
正岡子規はこちらの旧道を歩いたことになる。
四国歩き遍路道で時折出てくる道に似ている。
が、四国歩き遍路道はなんだかんだ言っても全国区のハイキング道、今や国際的なロード。
一方こちらは全く話題にならない忘れられた道。1年で何人の人が歩くか不明。
私にとって決断に10年、費やす時間30分の予期しない冒険・探検だった。
来年は漱石・子規生誕150年、明治維新150年。
このお蔵の脇をわらじ姿の子規が通ったと思うと何かと興味深い。
2017.12.10記
追記
参勤交代で通った最後の藩主の息子は東京帝大教授となり理研を作り、田中角栄を可愛がった。
その学者の孫娘は女優になりゴジラ、男はつらいよに出演している(河内桃子)。やはり大名の末裔と結婚したが既に故人。
自宅コスモス最後の一輪
頑張るねー。
⑭ 置き屋根に破風板
置屋根は左右(上)下から風が流入するのが特徴。
しかしA字タイプだと下から隙間が見えて今一。
そこで破風板を付けたが、今度はそのことによる風の流通阻害その他のマイナス点をを避けないと。
工夫した。
第1はトップ近くに空気穴。裏には防虫ネットを張った。
アイディア第2は破風板の途中に開閉できる場所を設けたこと。
内部の点検や
空気の流入をより大きくしたいときは開け放しにすることもできるように。
常時説明・閲覧用にプラスチック板も用意した。
⑮ 完 関連する製作等
1.犬走のコンクリート化
屋根は雨、日照等、主に上からの災厄防止のために機能する。
下からの攻撃には機能しない。
ふと水商売の人は客の品定めを足元で行うという話を想い出した。
至極もっともと思う。相当なゆとりがないとスーツと同等の額を靴に投下することはできない。私など足元を見られたら対象外と思われること100%だ。
建物はいくら雨どいを付けても跳ね返りは避けられないし、地表に降った雨がそのまま基礎部分に流れ込むようでは建物に良くないことは論を待たない。
京都奈良の名刹を拝観して感嘆するのはそれら寺院の完璧なまでの地表水対策だ。
屋根づくりの補完としてちょっと足元対策を講じることにした。
足元、犬走のコンクリート化だ。
と言っても業者発注や友人知人に御手伝いを依頼することは一切しない私にとって本格的なそれは作れない。
集中豪雨の被災地で、がけがこれ以上崩れないようにとブルーシートをかけるニュース報道を見ることが多い。
これに近い。
コンクリートの量を減らし、水の浸透を防ぐことに主意がある。
2 地表水排水路の製作
犬走りができてふと考えた。
このふちを使い、あと、底と外壁を足せば立派な溝になるではないかと。
カーブを付けながら排水路にしてみた。
右写真(クリックで拡大)で一部木片で押さえているところは地表部のオーバーフロー水を取り込む箇所。アルミネットと砂利にする予定。
3 害虫等の侵入阻止策
二重屋根間の間隔が広いとハトなどが巣を作り、そこまで広くなくてもスズメバチ、アシナガバチが巣を作る可能性もある。
ネットを張るなどの処置はしておいた方がよいと思う。
4二重屋根の発想転換=密閉空間断熱層への変換
破風板を前面につけたが他の空隙開口部にも取り付けて密閉化すれば全体として空気断熱層になる。冬季限定でそう変更するのも面白いと思う。
A字ハウスならそんなに手間ではないだろう。
完
ご清聴(視)ありがとうございました。
2017.12.14記