あるところにひときわ立派なログハウスが建てられた。
分厚い板、二重窓、ロフト付き(おそらく)で事実上3階建て相当の高さ。
施主はかなりの富裕層に見受けられた。
新築当時はライトカーキ色が光り輝いていた。
ところが建てて10年くらいになろうか。
どういうわけか再塗装はされていない。
外壁というかログ板の劣化が目立つ。
一部手遅れも見受けられ、他人事ながら心配になる。
大工さんに聞いた話だが、日本の多湿気候では毎年1回の塗装が望まれる。
できれば半年に1回。
費用を考えるとぞっとする。あのキシラデコールはとても高い。
この表面積だったら半端ではない価格になるだろう。
自分でやろうにも高さがあるので、素人のはしご塗装はとても危険。
3年に1回にしても足場を組んでの業者施工は富裕状態が存続していない限り無理だろう。
DIYメンテナンスを考えると建物は平屋に限る。
私のおんぼろログハウス、板厚も厚くなく、心もとない。しかし、平屋で小さいのが救い。
はしごをかけ、低価格塗料を使っての何度目かの再塗装を行っている。
草屋根のログハウスをいくつか展示してある北欧の公園に行ったことがあるが、多くのログハウスは腐朽していた。
日本の式年遷宮も技術の継承というより無塗装の建物を良好な状態でいられるのはせいぜい30年なので、そのあたりに建て直してしまおうというのではなかろうか。
1000年以上の木造建築といっても部分的補修・交換はまれではなく、いつの間にかそうとっかえしているといわれてもしょうがないようなものも散見される。