耐久性のこと-ロケットストーブの例
モノづくりの記事は、作って、さあできたできたと大喜び。
それはそれで喜ばしい限りだが、できたものがどのくらい持つかは別問題。
DIY雑誌は企画→製作→完成→即写真撮影→編集・印刷・出版となり、経年期間0というものも少なくない。
ある高名なエコノミストがベストセラーでロケットストーブ(オイル缶)を絶賛していた。
取り上げてくれたのはうれしいが、ちとバラ色の表現に過ぎていた。
というのは使い方にもよるが、毎日使うような人だと早いもので40数時間、一般的な例で半年、長くても1年過ぎくらいで破損してしまうという話が多い。
そのたびにステンレスの煙突3点セット約2千数百円の出費はエコノミーとは言えない。
私も作ってみた。
一度で成功したのは感激したが、わずか2時間の使用で赤ちゃんの肌のようにつるつるだったステンレスの一部は赤黒くざらざらのミイラのようになってしまった。
たまのイベントでデモンストレーションに使うというなら別だが、毎日の3食、お茶などすべてをロケットストーブに依拠するならこのオイル缶+ステンレスの煙突3点セットは身に余る負担となるようだ。
どうもシンクタンクの人ってヒアリングと文献調査は得意だが、自らの手足を使ってモノづくりをする人は少ないようで現実離れの高説を説く傾向がある。
エコノミストのベストセラーより無名人のブログのほうが役に立つ。
オイル缶+ステンレス煙突より耐火煉瓦のみのロケットストーブの方が製作の手間、コストの点でも優っているようで、実際そちらに転向する人が多いようだ。
こんど作ってみようと思う。