神崎さんのこの本、失礼ながら自社商品のPR的なものでは?との予見を持っていた。
たまたま、ぱらぱらと目を通し、そうでないと知った。というか私と考えを同じくするところがかなりあって共感すら抱くことになった。
1無垢の木にこだわる点
DIYはむろん、プロも構造用合板を使うことがとても多い。
或るプロは屋根裏のほか子供部屋の内壁もむき出しで使っていた。
星印4つなので法令上はクリアしている。
個人差はあるが私は全くダメ。ある年、6畳、無垢の床板上にその補強として構造用合板を並べたところ、たちまち頭痛が始まった。一過性のものだろうと外に出したが2,3日どころか週単位でもダメで、使用はあきらめた。無垢杉板に変え、ピタッと止まった。
☆印は一定の物質についてその放散量が一定レベル以下というだけ。そのほか合成材にはどんな影響を及ぼすかわからないものが100種類以上含まれているとか。それが私の場合はもろに影響を受けることになったわけだ。
というわけで少なくても内装材には接着剤で固めた板は使いたくなく、この点で著者に賛する。
2杉材
良質な木というとヒノキが浮かぶが、その香ばしい香りも人によってはアレルギーを引き起こす。香りもさほど強くなく、軽く、温かい感触の杉材の方が価格も安いこともあり、好ましく、私は選択することが多い。
何しろ、正倉院の物資保管箱=唐櫃のほとんどが杉材だということはもっと知られるべきと思う。最後の国立博物館、九州国立博物館の杉重用も有名だ。
使っていると年月を経るにつれすべてが「中性」に向かう感じがする。
芯に近い赤身でなくても家の中に立てかけておくだけでよくなっていく気がする。
神崎さんの著の中に杉材の強度を測ったら時間を経た2度目の方が強くなっているという箇所があり、とても驚いた。
漆喰はハードルが高く、なかなかできないが無垢材程度なら選択できよう。